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第5回レビー小体型認知症研究会のレポート

cabinetです。

11月5日、レビーの家族を支える会総会のレポートの続き、
研究会バージョンです。

今年は5周年記念シンポジウム「レビー小体型認知症の治療をめぐって」という
ことで、プログラムには「治療」の文字が並んでいました。
介護家族にとっては正しい診断も大事ですが、目の前のレビー本人の「治療」も
切実な問題で、何か新しいことがあるだろうかと期待をもって参加しました。

ランチョンセミナーとその後の5つの講演、いずれも錚々たる先生方の講演で、
興味深いものでした。
例年ですと、事前に抄録のダウンロートが可能だったので、レポートといっても
詳しくはこちらをと逃げて、感想ですませていたのですが、今年の抄録はまだのようです。



まず、プログラムのご紹介です。

5周年記念 ランチオン・セミナー  
「災害認知能力の調査から-恐怖がないという恐怖」
     岩田 誠先生 (メディカルクリニック柿の木坂)

5周年記念シンポジウム  
「レビー小体型認知症の治療をめぐって」

 講演1:DLBにおけるドネぺジルの効果 最新の知見を含めて
     森 悦郎(東北大)

 講演2:DLBの認知機能の治療
     朝田 隆(筑波大)

 講演3:DLBのBPSDの治療
     真鍋雄太(藤田保健衛生大)

 講演4:DLBのパーキンソン症状の治療
     葛原茂樹(鈴鹿医療科学大)

 講演5:DLBの自律神経障害の治療
     織茂智之(関東中央病院)


今回は、講演5の「自律神経系障害の治療」を中心にまとめてみました。
きちんと理解したいと頑張ってはみたものの、パワーポイントのレジメなしの、
悪筆のメモを頼りのレポートですので、うろ覚えだったり、聞き間違いなど
多々あるかと思いますがどうぞご容赦くださいませ。




~~~~~~~~~~~~


講演5:DLBの自律神経障害の治療  
          織茂智之先生 (関東中央病院)

DLBではパーキンソン病と同様に、脳・脊髄の自律神経系や心臓、腸管、膀胱など
をコントロールする末梢自律神経系に、レビー小体やレビー神経突起が現れ、
いろいろな自律神経症状が起きる。
レビーの自律神経障害治療についてはRCT(無作為対照臨床試験)が報告された
ものはほとんどないが、実際に使われている治療薬についても解説があった。


DLBによく見られる代表的な自律神経症状
      (心血管系、消化器系、泌尿器系)について


1.低血圧 (頻度:低血圧66%、失神発作28% Horimotoらの報告より)

起立性低血圧  迷走神経の抑制による
 起こりうる症状として 失神、注意障害、認知能力の低下などがある
 脱水や食事量低減などは増悪因子となりうるので避ける。

食事性(食後性)低血圧 門脈血流低下により 食後30分ごろから血圧が低下する 
 対応:一度にたくさん食べない。ゆっくり食べる
    炭水化物は分割してとる。熱すぎるものを食さない。
   
臥位性高血圧 寝ているときの血圧が高いが体を起こすと低下する
 対応:頭を挙げるのが有効である。 特に夜間。
   薬物は短期ならニパジール(Ca拮抗剤系の降圧薬)も使用可である.


血圧の変動の対応は

1) 生活指導。 水分摂取、緊張しない、排泄 立ち上がり注意

2) 運動 弾性ストッキング、起床訓練

3) 食事 塩分摂取はよい。カフェインも良い

4) 薬 血圧のベースライン、臥位高血圧の有無などをみながら投与量を調節

 ①ミドトリン・メトリジン 

注: 末梢血管を 収縮させて、血圧を上昇させる作用がある。
   心臓や脳の血管にはほとんど作用ない。
通常、本態性低血圧症や起立性低血圧症の治療に用いられる。

 ②ドプス ノルアドレナリン 

注: この薬は体内で直接l(エル)-ノルアドレナリンとなり神経の機能を改善する。通常、パーキンソン病におけるすくみ足やたちくらみ、シャイ ドレーガー症候群、家族性アミロイドポリニューロパチーにおける起立性低血圧、失神、たちくらみ、起立性低血圧を伴なう血液透析患者のめまい・ふらつき・たちくらみ、けん怠感、脱力感の症状改善に用いられる。

③リズミック 

注: ノルアドレナリンの再取り込阻害、不活化を防ぐ 

 ④ピリドスチグミン(メスチノン) 

注: 神経節のアセチールコリンを増やす。
スーパーハイテンションは出にくいとのこと。


レビーの場合の起立性低血圧や失神などは比較的よく知られている。
しかし、食後にボーっとしたり、意識状態が悪くなり食後の口腔ケアが難しい場合も
あることや、起床時の血圧測定値が高い(190-200!)こともまた自律神経系障害の
一つと考えてはいなかった。
食後性低血圧や臥位高血圧の可能性も考えておく必要があると改めて認識した。




2.泌尿器系 レビーの排尿障害は蓄尿系(尿意切迫、尿失禁)が主である

   頻度 (ほぼ100%)
   膀胱排尿筋の収縮力、緊張を低下させ、膀胱容量を増加させる薬剤--
   抗コリン薬(抗ムスカリン薬)パップフォー、ステーブラ、ウリトスなどを
   使う。尿道の筋肉の収縮力を高め、尿が漏れるのを防ぐために、
   三環系抗うつ薬を少量用いることもある



3.消化器系 原因は脱水、運動量低下などがある
   
   頻度:便秘は8割強に見られる
   コントロールは水分摂取、食事量、内容など生活指導が大切であるが、
   緩下剤などの工夫が必要である
   薬物としてはdomperidone、mosapride、大建中湯を単独または併用で
   使用する



~~~~~~~~~~~~


医者の集まる研究会では エビデンスの報告されていないもの、臨床医の「勘」に
言及することは、ほとんどタブーだと思っていたので、フロアの医師から
「僕の感触では・・・」と言う前置きである薬の「効果」について話しがでた時に
は意外でもあったし、嬉しくも思いました。
医師仲間のウチウチの集まりではない、介護家族も聴いている場での発言でしたから。


例えば
(ドネぺジルについて)
「少量でも副作用が出る人が多いので、自分は1.5→3→5と増量する。」
←薬剤過敏性が疑われる場合の少量投与の必要性が浸透してきた

(新薬の検討では)
「家族から、『そんなことより、(今、目の前にある症状を)何とかしてくれよ!』
との要求ではまず○○を使ってみます」
←まず患者や家族の方を向いてくれる、一緒に考えてくれる

(特にPDDの患者についてではあるが)
「用量設定は症例ごとの違いがあってよい」
←薬の必要量や増量、あるいは減量のステップには個人差があって当然!

厚労省の「決められた」用法を遵守することは大事ですが、
私個人としては、まず患者と向き合って、その個人の症状をみながら薬の量・種類
を考えてほしいと切に願っています。



~~~~~~~~~~~


5周年記念の研究会では、ちょっぴり「レビー患者・家族の方を向いている先生」
の存在を感じました。
研究の「対象者」ではなくて・・・

散会した後、ゆるりん通信をK先生、O先生にお渡ししました。

おずおずと、(根がシャイなので←ホントニ)
「私たち、レビーの家族会の……で、…ニュースレターを作っているのですが……」

K先生には喜んでもらっていただき、頑張ってくださいと逆に励まされました。
O先生はすかさず「あ~ぁ、ゆるりん通信ですね」と、そして
「最新号ください」と 

うれしかった!!



(講演1~4については機会がありましたら…)






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